着物の用語集




帽子絞り (ぼうししぼり)
絞染め技法の1つ。絞りの大きさにより、大帽子・中帽子・小帽子がある。他にも太鼓帽子・逆帽子などがある。模様の輪郭線に糸入れし、その糸を引き締める時に芯を包み、芯の周囲に糸入れ線を当てて引き締める。防染部分に、紙とビニールをかぶせて括ると、帽子をかぶせたように見えるのでこの名がついた。

暈し染 (ぼかしぞめ)
濃さを変えたり、色を変えたりしながら、ぼかしに染め上げる技法で、キモノの地染に使われる。一色濃淡のぼかしを共ぼかし、または、濃淡ぼかしと呼び、多色づかいのぼかし染は曙〈アケボノ〉ぼかし、それを段状に変化させたものを段ぼかしという。

補色 (ほしょく)
ある2色を混色することで、灰色や黒になる場合、その2色は互いの補色である。赤と青緑など。



前身頃 (まえみごろ)
キモノの身体の胴の部分をおおうところを身頃といい、前の部分を前身頃、背の方を後身頃という。前を重ねて着用する長着・襦袢・コートにおいて、上に重ねる前身頃を上前身頃、下になる方を下前身頃という。

蒔絵 (まきえ)
漆〈ウルシ〉を塗った上に、金・銀粉、色粉などを蒔きつけて、器物の面に絵模様を表わす、日本独自の漆工〈シツコウ〉美術。奈良時代から始まる。

襠 (まち)
衣服や鞄などにつけられる主に三角形の部分をいう。まちのあるキモノには、羽織・袴〈ハカマ〉などがある。キモノの場合は、必ず三角形の布とは限らず、女物の羽織や被布〈ヒフ〉は上辺1.5センチ、底辺6~6.5センチの台形になり、男物の羽織では、底辺が7~7.5センチの三角形。

纏繍( まつりぬい)
刺繍技法の1つ。一の字型の針足を少しずつ重ねながら、一本の線に見えるように繍う技法をいう。

丸帯 (まるおび)
表裏を2枚の裂を縫い合わせた昼夜帯に対し、1枚の裂を2つ折りにして仕立てた帯で、正式な礼装の時に用いた。現在の丸帯は、織幅約65~75センチ(鯨尺で1尺7寸~2尺)の帯地を2つ折りにして仕立てている。しかし、丸帯は、重い上に締めにくいので、最近では、袋帯で代用することが多くなっている。



身丈 (みたけ)
長着の肩山から裾までの長さ。女物の長着は、着丈に20センチほど加えた丈を身丈とし、男物は着丈と同寸。

道長取り (みちながどり)
藤原道長が好んだという継ぎ紙された料紙の模様。和紙を指でちぎったような表現で、ゆるやかな流れを持ち、かつ変化に富む線で囲んだ模様をいう。

三つ身 (みつみ)
キモノの裁ち方の1つで2歳くらいの幼児用の長着。背縫いがあるので、格好は良いが、身幅は一つ身と同寸のため、あまり長い間は着れない。現在ではあまり着用されていない。

身幅 (みはば)
キモノの身頃の前幅と後幅。

耳 (みみ)
織物の端。地と異なる糸、または組織密度を用いて、織物の両側に織りつけた部分。織物の地を保護するのが目的。

身八つ口 (みやつぐち)
女物・子供物の和服の身頃の明きのこと。脇の明きを八つ口、袖の明きを振りという。振りのことを袖八つ口ということもある。



無双 (むそう)
キモノの仕立て方の1つ。表・裏地とも同じ生地を使って仕立てた袷。無双羽織・無双袖などがある。



目引 (めひき)
下染や先染に対し、目的の色を得るために、一旦染揚げした後に色掛けすることをいう。


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